大神様の呪いのふみきり
その分勉強もできるはずだと、周りからは思われているようだった。
それから3人は学校での出来事や昨日テレビで見た番組の話で盛り上がりながら帰路を歩いた。

全員徒歩通学だから、自転車を押す者はいない。
同じ歩調で、同じように歩いてしばらくすると前方にフミキリが見えた。

3人が近づいていくとそのタイミングでカンカンと音がなり始め、遮断器が降り始める。
フミキリの向こう側には30代くらいの男性が立ち止まり、その後ろには自転車に乗った女子高校生もいる。

「やなこと思い出しちゃった」
カンカンと鳴り響く音に四葉が小さく呟いた。

「大神さまのフミキリ?」
聞いてきたのは大神さまのフミキリについて話していた沙友理だ。

「うん。このフミキリなんだよね?」
「噂ではそうみたいだよ」

沙友理は頷く。
学校がある日は毎日通っている場所だけれど、あの都市伝説を聞いてしまったせいでなんだか違う場所のような気がしてきてしまう。
< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop