大神様の呪いのふみきり
「それは私も考えたよ。だけど10年も絶つとだいたいの先生が転勤して行っちゃうでしょう? 大神様のことを知っている先生がまだいるかどうか、怪しいと思うんだよね」

瑠美と沙友理の話を聞いていた四葉が「あっ」と声をあげた。
ふたりの視線が四葉へ向かう。

「用務員さんとか事務員さんはどうかな? 長く務めてる人がいるんじゃない?」
先生たちは転勤が多い印象があるけれど、用務員さんや事務員さんは違う。

「それなら用務員さんがいいかも! いつも花壇に水やりをしてる人!」
思いついたように沙友理が言う。

その用務員さんはいつも早く学校にやってきて花壇に水やりをしながら生徒たちに挨拶をする。
学校の見慣れた顔だった。

「それなら今日、お昼を食べたらさっそく話を聞きに行ってみよう!」
四葉はそう言ったのだった。
< 60 / 70 >

この作品をシェア

pagetop