大神様の呪いのふみきり
大神様は優しい生徒で友達も多かったこと。
沙友理の話と照らし合わせてみてると、背の高い彼氏もいたという。

順風満帆な学生生活だったんだろう。
「なんだか大神様が可愛そうになってきた」

教室へ戻る階段の途中で瑠美が呟く。
「そうだね。いい子だったのに事故で死んじゃって、今でもフミキリから離れられないなんて……」

四葉は瑠美の気持ちがよくわかった。
最初はただこわいだけだった大神様の存在だけれど、今ではどうにか助けてあげることができないかと思っている。

大神様だってきっと、自由になりたいはずだ。
「今日はきっと私が大神様に選ばれる。だから絶対に指輪を見つけ出してあげたい」

瑠美は強い口調で、そう言ったのだった。
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