大神様の呪いのふみきり
悲鳴を上げることすらできなくて、大慌てで大神様から離れた。
大神様の噂はほんとうだった。

ふたりが経験したことも本当だった。
これで失敗すれば、私も指を失うことになる!

瑠美は自分の左手を見つめて青ざめた。
四葉も沙友理も、指が無くなっても血も出ないし痛みもないと言っていたけれど、だからといって無くなってもいいものじゃない。

瑠美は草むらを進んでフミキリから離れていった。
先に四葉と沙友理が探してくれたところはちゃんと覚えている。

だけど周りは草だらけで、本当にしっかり探すことができているのかどうか不安は残った。
フミキリから10メートル離れたあたりで立ち止まり、瑠美は周辺の草を踏みつけていった。

また明日誰かが大神様のターゲットになったとき、こうして草を倒しておけばわかりやすい。
それから瑠美はふたりと同じように地面に這いつくばるようにして指輪を探し始めた。

指輪は光るから見つけやすいはずだと沙友理は言っていたけれど、おもちゃの指輪がそれほど輝いているだろうか。
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