大神様の呪いのふみきり
あった。
あった!!

ついに見つけたんだ!
大神様の捜し物。

左手の薬指!!
「見つけた!! 見つけたよ!」

手のひらにのせて大神様へ向かって走る。

慌てたせいで途中何度も足を絡ませて転けそうになる。
大神様の前までくると瑠美は荒い息を繰り返して額に滲んでいる汗を手の甲で拭った。
「これ、あなたの指でしょう?」

手の平にコロンと乗っかった指。
白く長く、きれいな指。

なぜか腐敗もしていないそれは、事故があってすぐ見つけたような暖かさまで感じることができた。
大神様が全身を震わせるのがわかった。
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