大神様の呪いのふみきり
☆☆☆

2年A組の教室へ入ると四葉と沙友理のふたりがすぐにやってきた。
ふたりとも瑠美のことが心配で、早めに登校してきていたのだ。

「瑠美、大丈夫だった!?」
四葉に聞かれて瑠美は答える変わりに手袋をした左手を見せた。

四葉は絶句して、次に泣いてしまいそうな顔を浮かべる。
「どうしよう、3人共ダメだったなんて」

沙友理が焦りをにじませた声で言う。
3人共失敗したら、もう指は戻ってこないかもしれない。

大神様は次の人へターゲットを映すかもしれないんだ。
「みんな、ごめんね……」

瑠美は罪悪感にかられてうつむく。
まさか探しものがあんなに難しいとは思っていなかった。

「瑠美のせいじゃないよ。私達3人共失敗したんだから」
落ち込む瑠美に四葉が慌てて声をかける。

それでも瑠美は顔をあげることができなかった。
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