大神様の呪いのふみきり
風が吹いてさわさわと雑草が音を立ててなびくばかりだ。
「ねぇ、返事をしてよ!」

つい先程までこわい話をしていたから、ふたりして自分を驚かせようとしているに決まっている。
そう思っているものの、心臓がドキドキと嫌な音を立てはじめた。

握りしめたこぶしにはジットリと汗が滲んできている。
「沙友理、瑠美?」

声をかけながら雑草の中へと足を踏み入れた。
雑草はまるで四葉を歓迎するように風に揺れて左右に割れる。

「ねぇ、どこに行ったの?」
ふたりの姿はどこにもない。

途端に背中にスーッと冷たいものが走った気がして振り向いた。
けれどそこにも誰もいない。

遮断器は相変わらず下りたままで、電車が来る気配もなかった。
もしかしたら最寄駅で停車しているのかもしれない。

四葉がそう思ったときだった。
ふいに違和感があって、周囲を見回した。
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