大神様の呪いのふみきり
女子生徒が大神様を見たのは学校へ来る途中で、放課後じゃなかったらしい。
大神様は必死でなにかを探しているようで、周囲のことは気にしていなかった。

その姿は他の人たちにも見えていた。
女子生徒は大神様にお願いされていないし、大神様の世界に連れて行かれてもいない。

話を聞いて、それだけのことがわかった。
「本当に大神様なのかな? 私達が経験したことと。随分違うよね」

四葉が考え込んだ様子で呟く。
「そうだね。だけど見た目は大神様そのものみたいだよ?」

女子生徒が言っていた大神様の見た目と、瑠美が見た大神様の見た目は一致している。
それから教室内は大神様の話題でもちきりになった。

大神様の姿を見たのはさっきの女子生徒だけじゃなく、何人もの生徒たちが目撃していたのだ。
「あのフミキリで変な女の子を見たぞ!」

「赤いワンピースを着てた。肌は真っ黒で、普通じゃなかった」
そんな話があちこちから聞こえてくる。

「誰かが大神様のふりをしてフミキリにいたとか?」
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