大神様の呪いのふみきり
本物の大神様だと確認したものの、それから先のことはなにも考えていなかった。
四葉は沙友理の腕を掴む。

「大神様は他の人にも見えてるんだよね? このままほっといたら誰かに通報されるかもしれない」
沙友理が真剣な表情で答える。

もし警察沙汰になんかなったら、大神様が怒り出すかもしれない。
あの獣のような咆哮を上げて街をめちゃくちゃにしてしまうかもしれない。

「それなら、通報される前に指輪を探し出さないと!」
そう言ったのは瑠美だった。

大神様は1人で指輪を探し始めたのだ。
それなら、それを手伝うのが一番の近道のはずだった。

「うん。そうだね」
今自分たちにできることはそれくらいだ。

四葉は大きく頷いたのだった。
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