大神様の呪いのふみきり
生徒手帳
3人の指を元に戻せるのは大神様だけ。
だから誰かに連れて行かれたり、除霊されるわけにはいかない。

3人は必死になって指輪を探した。
今日は時間がたっぷりあるから、普段よりも広範囲に探すことができそうだった。

少しでも光るものを見つければそれを注意深く確認した。
だいたいがビー玉とか、きれいな石だったりして落胆しそうになるけれど、それでも探しものをやめることはしなかった。

「ないね」
「あるよ。絶対にどこかにあるから大丈夫」

誰かが弱音を吐きそうになるほ、他の誰かが勇気づける。
1人きりで探しているのではないから、その分気分は楽だった。

けれど指輪は見つけられない。
電車が何本通り過ぎていっても、太陽が真上に上る時間になっても、大神様の指輪はどこからも出てこない。

「もしかしたら、土の中に埋まってるのかもしれないね」
沙友理が一旦立ち上がって大きく伸びをして言った。
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