大神様の呪いのふみきり
土の中にあるとしたら、手で掘り起こす必要がある。
だけど、それだけのことをする覚悟はできていた。

3人共制服は汚れていて、手の爪先には土が入り込んでいる。
それを気にする余裕もなかった。

沙友理が大神様へ視線を向けると、大神様も一心不乱に探しものを続けている。
幽霊だから疲れることを知らないのか、その動作は大きく激しく、そして時折悲しげな咆哮を上げる。

瑠美が大神様の咆哮に何度も驚いて手を止める。
そんな中、四葉の右足が何かを踏みしめた。

それは土でも草でもない、なにか減らべったくて硬いものだ。
なんだろうと足元へ視線を向けてみるけれど、そこにあるのは茶色い土ばかり。

さっき沙友理が言っていたように、土の中になにかが埋まってるのかも。
踏みしめた感じでは指輪のようではなかったけれど、四葉は土に手を伸ばしてそこを掘り起こし始めた。

自分たちが踏みしめて少し硬くなった土を手のひらで掘り返すとすぐに厚紙のようなものが出てきた。
それを指先でつまみ上げている。
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