フェイスチェンジャー
第5話
「ねぇ、雫ってだれ?」
悠は、そう言う彼女に
驚いた。
いつもと違う。
そう、雫の隣、もしくは
近くに誰か他の交際相手がいるかと
勘違いする人もいるだろう。
この言葉を発したのは、
雫本人だ。
冒頭に
悠は
たくさんの交際相手がいると
言った。
本当は、
厚化粧の美咲も
ボーイッシュな華鈴も
和を重んじるゆかりも
イルカショーが大好きな雫も
ただ1人が演じる女性だ。
本当の名前は、
葵《あおい》という名前だ。
どうしてこういうことに
なっているかというと
女性というのは
ホルモンバランスで
体調が変化する。
それにより
ポジティブかネガティブかに
分かれるのだ。
葵は、
卵胞期で
ポジティブになり元気がいい時は
厚化粧にギャルのような格好にして
美咲と名乗る。
排卵期でだんだん不調になる時は、
イルカショーが好きな雫と名乗り、
黄体期で不調すぎる時は、
口調が荒くなり、
ボーイッシュの格好をする
華鈴と名乗る。
月経になると、
不調から回復状態のなのだが、
割とおとなしい和菓子が好きな
ゆかりと名乗るのだ。
悠は、本当は
女ったらしではない。
ゲス男でもない。
ただ1人、
女優のように振る舞う葵をあたかも
いろんな女性と付き合ってるかの
プレイボーイになってるように
装っている。
結婚式のお色直しのごとく、
その時その時の彼女を楽しんでいる。
一途で純愛だ。
顔を変えるのは
むしろ悠よりも葵の方なのだ。
突然、一日のデートの中で
葵本人が登場する時がある。
そうなった時は不意打ちで
悠は、対応に混乱するのだ。
「葵?!
ごめん、違う違う。
雫って人いないよ。
聞き間違いだよ。
ほら、イルカショー見るとき
水しぶき飛ぶでしょう。
雫がぽたんってね…。」
とても苦しい言い訳だ。
「……。」
「どう?
呼吸は?
大丈夫?」
「……今日、見たい映画あった。」
「あ、もう、平気なんだね。
映画?
なに、どんな映画よ。
聞いてないよ、俺。」
「えっと、長編アニメ。
ファンタジーな。」
「新山監督の?」
「そう。
確か、今日からだった気がする。」
「わかった。
見にいこう。
イルカショーは…。
混んでるから
また来た時でいい?」
「うん。私、別に興味ないし。」
「…ウケる。
まじで。」
悠は、さっきまでテンション高めに
喜んで雫が嘘のように
テンション低くしてるのが
面白くなった。
「何が、面白いの?」
「ごめんごめん。
こっちの話。
んじゃ、行こうよ。」
悠は、
葵の手を引いて、
水族館の出口に向かう。
イルカショーが始まった会場では、
観客の声と拍手が響いていた。
バシャバシャと水音と音楽も
聞こえてくる。
悠は、そう言う彼女に
驚いた。
いつもと違う。
そう、雫の隣、もしくは
近くに誰か他の交際相手がいるかと
勘違いする人もいるだろう。
この言葉を発したのは、
雫本人だ。
冒頭に
悠は
たくさんの交際相手がいると
言った。
本当は、
厚化粧の美咲も
ボーイッシュな華鈴も
和を重んじるゆかりも
イルカショーが大好きな雫も
ただ1人が演じる女性だ。
本当の名前は、
葵《あおい》という名前だ。
どうしてこういうことに
なっているかというと
女性というのは
ホルモンバランスで
体調が変化する。
それにより
ポジティブかネガティブかに
分かれるのだ。
葵は、
卵胞期で
ポジティブになり元気がいい時は
厚化粧にギャルのような格好にして
美咲と名乗る。
排卵期でだんだん不調になる時は、
イルカショーが好きな雫と名乗り、
黄体期で不調すぎる時は、
口調が荒くなり、
ボーイッシュの格好をする
華鈴と名乗る。
月経になると、
不調から回復状態のなのだが、
割とおとなしい和菓子が好きな
ゆかりと名乗るのだ。
悠は、本当は
女ったらしではない。
ゲス男でもない。
ただ1人、
女優のように振る舞う葵をあたかも
いろんな女性と付き合ってるかの
プレイボーイになってるように
装っている。
結婚式のお色直しのごとく、
その時その時の彼女を楽しんでいる。
一途で純愛だ。
顔を変えるのは
むしろ悠よりも葵の方なのだ。
突然、一日のデートの中で
葵本人が登場する時がある。
そうなった時は不意打ちで
悠は、対応に混乱するのだ。
「葵?!
ごめん、違う違う。
雫って人いないよ。
聞き間違いだよ。
ほら、イルカショー見るとき
水しぶき飛ぶでしょう。
雫がぽたんってね…。」
とても苦しい言い訳だ。
「……。」
「どう?
呼吸は?
大丈夫?」
「……今日、見たい映画あった。」
「あ、もう、平気なんだね。
映画?
なに、どんな映画よ。
聞いてないよ、俺。」
「えっと、長編アニメ。
ファンタジーな。」
「新山監督の?」
「そう。
確か、今日からだった気がする。」
「わかった。
見にいこう。
イルカショーは…。
混んでるから
また来た時でいい?」
「うん。私、別に興味ないし。」
「…ウケる。
まじで。」
悠は、さっきまでテンション高めに
喜んで雫が嘘のように
テンション低くしてるのが
面白くなった。
「何が、面白いの?」
「ごめんごめん。
こっちの話。
んじゃ、行こうよ。」
悠は、
葵の手を引いて、
水族館の出口に向かう。
イルカショーが始まった会場では、
観客の声と拍手が響いていた。
バシャバシャと水音と音楽も
聞こえてくる。