トップシークレット☆ ~お嬢さま会長は新米秘書に初恋をささげる~【減筆版】
「うん……、確かに」
「唯、これ書いた人分かっちゃったかも」
「「えっ!?」」
わたしと里歩は同時に驚きの声を上げ、ドヤ顔の唯ちゃんを見た。
「小坂リョウジさんだよ、多分。あの日、あそこで映画の舞台挨拶やってたでしょ?」
「あ……!」
確かに唯ちゃんの言ったとおり、彼はちょうどあの日、主演映画の舞台挨拶をするためにあの場所に来ていた。
「うん。でね、空き時間にショッピングモールの中をうろうろしてる時、たまたま桐島さんと一緒に歩いてる絢乃タンを見かけて写真撮ったんだよ」
「ちょっと待って、唯ちゃん。小坂リョウジがそんなことした理由は?」
名探偵ぶりを発揮していた唯ちゃんに、里歩が水を差した。
「絢乃タンにCMの共演を断られたから。だしょ、里歩タン?」
「……まぁ、そんなこともあったけど。だからってそれくらいの理由で絢乃のこと逆恨みするかなぁ?」
「う~ん、それは唯には分かんない」
にゃはっ☆ と笑いながら答えた唯ちゃんに、わたしたち二人はのめった。
「…………っていうか里歩、恨まれてるのは貢の方じゃなかったっけ?」
「あ、そうだった。でも、これってホントに小坂リョウジのアカかなぁ? ちょっと待って……。あったよ、公式アカ。でもユーザー名が全然違うね」
里歩は自分のスマホで小坂さんのアカウントを検索したらしく、ヒットしたアカウントには公式であることを表す青い認定マークがついていた。
「ってことは、裏アカか成り澄まし? どっちにしても悪質だよね。……一応、サポートセンターに荒らし行為で通報した方がいいかな」
「うん。でも、多分通報してもキリがないと思うよ。こういうアカはウジャウジャ増殖するから」
「ぞっ、増殖……?」
里歩の指摘に、通報メールを送信し終えたわたしはゾッとした。そんなの、おぞましい以外の何ものでもない!
「そうならないためにも、まずはこの書き込みがホントに小坂さんのアカから発信されてるのか突き止めなきゃだよね。多分、かなりハードル高いと思うけど」
「そうだよね……。もし裏アカウントなら、海外のサーバー経由で作られてるかもしれないもん。そこから先を辿るのはちょっと難しそう。そういうのを調べてくれる、専門の調査会社とかないのかなぁ。ネット犯罪とか、そういう問題に特化してるような」
わたしは頭を抱えた。篠沢グループの中にも調査会社はあるけれど、そこまで突っ込んだ調査はしてもらえない。そこで十分事足りるなら、わたしもこんなに悩まなくて済んだのだ。
きっと貢もこの投稿を目にしているだろう。この先、彼の個人情報を特定しようとする人たちも出てくるだろう。わたしはどうすれば、この悪意から彼のことを守れるだろう……?
「――ところでアンタ、今日は会社行かなくていいわけ?」
彼のことを案じていると、里歩が現実的な指摘をしてきた。そういえば、数分前に彼から「今からお迎えに向かいます」とメッセージが入っていたのだ。
「行かない……わけにはいかないよね。彼もこの投稿見たのかな……って思ったら、彼のメンタルが心配だし。ここはボスであるわたしが頑張らなきゃ!」
というわけで、色々と思うところはあったものの、わたしはこの日も出社することにしたのだった。
「唯、これ書いた人分かっちゃったかも」
「「えっ!?」」
わたしと里歩は同時に驚きの声を上げ、ドヤ顔の唯ちゃんを見た。
「小坂リョウジさんだよ、多分。あの日、あそこで映画の舞台挨拶やってたでしょ?」
「あ……!」
確かに唯ちゃんの言ったとおり、彼はちょうどあの日、主演映画の舞台挨拶をするためにあの場所に来ていた。
「うん。でね、空き時間にショッピングモールの中をうろうろしてる時、たまたま桐島さんと一緒に歩いてる絢乃タンを見かけて写真撮ったんだよ」
「ちょっと待って、唯ちゃん。小坂リョウジがそんなことした理由は?」
名探偵ぶりを発揮していた唯ちゃんに、里歩が水を差した。
「絢乃タンにCMの共演を断られたから。だしょ、里歩タン?」
「……まぁ、そんなこともあったけど。だからってそれくらいの理由で絢乃のこと逆恨みするかなぁ?」
「う~ん、それは唯には分かんない」
にゃはっ☆ と笑いながら答えた唯ちゃんに、わたしたち二人はのめった。
「…………っていうか里歩、恨まれてるのは貢の方じゃなかったっけ?」
「あ、そうだった。でも、これってホントに小坂リョウジのアカかなぁ? ちょっと待って……。あったよ、公式アカ。でもユーザー名が全然違うね」
里歩は自分のスマホで小坂さんのアカウントを検索したらしく、ヒットしたアカウントには公式であることを表す青い認定マークがついていた。
「ってことは、裏アカか成り澄まし? どっちにしても悪質だよね。……一応、サポートセンターに荒らし行為で通報した方がいいかな」
「うん。でも、多分通報してもキリがないと思うよ。こういうアカはウジャウジャ増殖するから」
「ぞっ、増殖……?」
里歩の指摘に、通報メールを送信し終えたわたしはゾッとした。そんなの、おぞましい以外の何ものでもない!
「そうならないためにも、まずはこの書き込みがホントに小坂さんのアカから発信されてるのか突き止めなきゃだよね。多分、かなりハードル高いと思うけど」
「そうだよね……。もし裏アカウントなら、海外のサーバー経由で作られてるかもしれないもん。そこから先を辿るのはちょっと難しそう。そういうのを調べてくれる、専門の調査会社とかないのかなぁ。ネット犯罪とか、そういう問題に特化してるような」
わたしは頭を抱えた。篠沢グループの中にも調査会社はあるけれど、そこまで突っ込んだ調査はしてもらえない。そこで十分事足りるなら、わたしもこんなに悩まなくて済んだのだ。
きっと貢もこの投稿を目にしているだろう。この先、彼の個人情報を特定しようとする人たちも出てくるだろう。わたしはどうすれば、この悪意から彼のことを守れるだろう……?
「――ところでアンタ、今日は会社行かなくていいわけ?」
彼のことを案じていると、里歩が現実的な指摘をしてきた。そういえば、数分前に彼から「今からお迎えに向かいます」とメッセージが入っていたのだ。
「行かない……わけにはいかないよね。彼もこの投稿見たのかな……って思ったら、彼のメンタルが心配だし。ここはボスであるわたしが頑張らなきゃ!」
というわけで、色々と思うところはあったものの、わたしはこの日も出社することにしたのだった。