甘美な果実
「瞬はチョコもすぐに噛みそうだな」
「……言われてみれば」
「あと人もよく噛みそう」
「人?」
「誰か抱く時、あちこちに噛み跡つけそうってことだよ」
「……紘はねちねちとしつこいくらいに舐りそう」
否定も肯定もせずに言い返すと、紘は濁音がついたような音で盛大に吹き出した。ちょ、やべ、飴が、と笑いに声を震わせながら慌てて口元を抑えて上を向き、難を逃れる紘の動作を俺は目で追って。全身べたべたにしそう。更に付加して攻めてみた。
溶けた飴の味を含む唾液を飲み込む際に変な箇所に侵入してしまったのか、今度は危なっかしく咳き込み始める紘。笑いと苦しみが混在しているようで、彼の顔は見たこともないくらい赤くなっており、泣きそうな目すらしていた。滅多に見ない表情に、なぜか口角が持ち上がりそうになる。その既の所で持ち堪えた。胸の奥の方がうずうずしていた。
「ああ、苦しい。しんどい。面白すぎる」
瞬の中で俺はねちねちべたべたしてんのかよ。一頻り笑って苦しんだ後に、紘は涙を拭うように目元を触った。飴をゆっくり溶かしながら丁寧に味わうような紘が、そういう行為をする時に荒々しく噛みつくようなタイプには見えなかった。
飴を舐めるみたいに、相手の敏感な部分に舌を這わせてじっくり味わってそう。はは、やば、生々しいわ、瞬がギリギリのラインの下ネタ言うの貴重すぎんだけど、急にどうしたんだよ、面白いからいいけど。別に、紘は噛むことはしないだろうなって思っただけ。なるほどな、噛むか舐めるかだったら、確かに俺は舐める派だな、痛い思いはさせたくないじゃん、どうせなら気持ちよくさせたいじゃん。紘なのに相手のことを考えてるんだな。紘なのに、は余計だわ、逆に瞬はあれだよな、噛むだけに止まらず、殴ったり蹴ったり踏んだりして痛めつけてそうな感じがする。そんな暴力は振るわない。ほんとかよ、なんかとんでもない性癖隠し持ってそうなんだけど。
「……言われてみれば」
「あと人もよく噛みそう」
「人?」
「誰か抱く時、あちこちに噛み跡つけそうってことだよ」
「……紘はねちねちとしつこいくらいに舐りそう」
否定も肯定もせずに言い返すと、紘は濁音がついたような音で盛大に吹き出した。ちょ、やべ、飴が、と笑いに声を震わせながら慌てて口元を抑えて上を向き、難を逃れる紘の動作を俺は目で追って。全身べたべたにしそう。更に付加して攻めてみた。
溶けた飴の味を含む唾液を飲み込む際に変な箇所に侵入してしまったのか、今度は危なっかしく咳き込み始める紘。笑いと苦しみが混在しているようで、彼の顔は見たこともないくらい赤くなっており、泣きそうな目すらしていた。滅多に見ない表情に、なぜか口角が持ち上がりそうになる。その既の所で持ち堪えた。胸の奥の方がうずうずしていた。
「ああ、苦しい。しんどい。面白すぎる」
瞬の中で俺はねちねちべたべたしてんのかよ。一頻り笑って苦しんだ後に、紘は涙を拭うように目元を触った。飴をゆっくり溶かしながら丁寧に味わうような紘が、そういう行為をする時に荒々しく噛みつくようなタイプには見えなかった。
飴を舐めるみたいに、相手の敏感な部分に舌を這わせてじっくり味わってそう。はは、やば、生々しいわ、瞬がギリギリのラインの下ネタ言うの貴重すぎんだけど、急にどうしたんだよ、面白いからいいけど。別に、紘は噛むことはしないだろうなって思っただけ。なるほどな、噛むか舐めるかだったら、確かに俺は舐める派だな、痛い思いはさせたくないじゃん、どうせなら気持ちよくさせたいじゃん。紘なのに相手のことを考えてるんだな。紘なのに、は余計だわ、逆に瞬はあれだよな、噛むだけに止まらず、殴ったり蹴ったり踏んだりして痛めつけてそうな感じがする。そんな暴力は振るわない。ほんとかよ、なんかとんでもない性癖隠し持ってそうなんだけど。