問題児は座敷わらし
進路相談室が開くまでの間、やることがなくてぼーっとしていたら色々な先生に話しかけられた。
話しかけてきた先生の中に自分の担任もいたから担任にだけは素直に話した。
凄く顔がひきつっていたけど、それが余計に興味を持たせた。


少し先で扉が開く。

さっき入っていった生徒と先生が出てきた。
どこか呆れたような顔の先生とどこか不満そうな笑顔の生徒。

今話しかけなければ次会うのはいつになるかわからない。

こっちへやってくる。
早く声をかけなければ。

自分の心臓の音が聞こえる。
誰かに抱きしめられている時のように、胸に耳を当てているように。


そして、深呼吸をして、心臓の音量を下げた。
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