問題児は座敷わらし

秘密の話

「お前なぁ…」

「すみませんでした。」

「何に謝ってるんだ」
「まず、外に向かって大声出してたこと。そして、授業を放置した挙句、他人への迷惑行為をした事」

「はぁ、、わかってるんならやるな。」
「感情のコントロールをしろ。みんなそうやって生きてる。社会に出て困るのはお前だ。」

「先生、私が社会に出ないって言ったら?」

「…親のスネを齧って生きてくのか?まぁ、親がそれでいいって言うならいいんじゃないのか。先生は責任取らないからな。」

「そういう事じゃなくて、生きるっていう選択肢しかないの?」
「先生は答えられる?何故人は死んではならないのか。自殺する事のなにが悪いの?生きたくないんだったら仕方ないと思わない?人間、ないものねだりなんだから、死んでみたいって思ってる人がいても不思議じゃないよね?」

「死んでみたいと本当に死ぬ事は違うと思うぞ。」

「先生、私は何故人は生きていく前提で物事を進めるのか、死ぬ事はなぜあまり許されていないのか、が気になるんだよ。」

「先生はそういう勉強をしていないから答えられない。」

「……私だって普通の人生を送れないってわかってるんだ。ほら、先生、今流行りの多様性だよ。多様性。理解してよ。」

「…はぁ、、今日はもう終わりにしよう。気をつけて帰れよ。」

「…はーい。さようならー。」
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