白衣を着た悪魔の執愛は 不可避なようです
*
「おいっ、……大丈夫か?」
「フフフ~ンッ、ぜっっっんぜん大丈夫だってぇ~」
夜勤明けで眠らずに医学部時代の友人の結婚式に出席した夕映。
四人いる同期の女子で、結婚してないのは夕映だけ。
大学時代は男っ気もなく、勉強を優先して来たツケなのだろうか?
お酒の力も相まって『このままだと、一生独身だぞ』『貰い手探すの手伝ってやろうか?』などと小馬鹿にされ、嫌でも思い出してしまった……元彼のことを。
口が悪いうえ、イケメンでもない同期の男子の左手薬指に光る指輪を見て、悔しさが込み上げる。
結婚が如何に難しいかを思い知らされたのだ。
夜勤明けで翌日が休みということもあって、夕映はお酒に逃げた。
嫌味を言われようが、揶揄われようが、悪いことをしたわけじゃないのに、『なぜ自分だけがこんな惨めな思いをしなければならないのか?』という感情に押し潰されそうで。
精神的にも肉体的にも限界だった夕映は、二次会の店で酔い潰れてしまった。
「んっ?……神坂医師?……黒瀬、携帯鳴ってんぞっ」
バーを貸切っての二次会はお開きになろうとしていて、三次会への移動が促され始めた。
「もしもし」
「え?……この電話、黒瀬 夕映の携帯ですよね?」
「はい、そうですけど」
「失礼ですが、夕映と代って下さい」
「あっ、すみません。彼女今酔い潰れてまして、電話に出れそうにないんです」
「そこ、どこですか?今すぐ迎えに行きます。場所を教えて下さい」
夕映にかかって来た電話に出たのは、同期の赤石。
無防備な夕映を放っておけず、自宅に送り届けようとしていた。
「おいっ、……大丈夫か?」
「フフフ~ンッ、ぜっっっんぜん大丈夫だってぇ~」
夜勤明けで眠らずに医学部時代の友人の結婚式に出席した夕映。
四人いる同期の女子で、結婚してないのは夕映だけ。
大学時代は男っ気もなく、勉強を優先して来たツケなのだろうか?
お酒の力も相まって『このままだと、一生独身だぞ』『貰い手探すの手伝ってやろうか?』などと小馬鹿にされ、嫌でも思い出してしまった……元彼のことを。
口が悪いうえ、イケメンでもない同期の男子の左手薬指に光る指輪を見て、悔しさが込み上げる。
結婚が如何に難しいかを思い知らされたのだ。
夜勤明けで翌日が休みということもあって、夕映はお酒に逃げた。
嫌味を言われようが、揶揄われようが、悪いことをしたわけじゃないのに、『なぜ自分だけがこんな惨めな思いをしなければならないのか?』という感情に押し潰されそうで。
精神的にも肉体的にも限界だった夕映は、二次会の店で酔い潰れてしまった。
「んっ?……神坂医師?……黒瀬、携帯鳴ってんぞっ」
バーを貸切っての二次会はお開きになろうとしていて、三次会への移動が促され始めた。
「もしもし」
「え?……この電話、黒瀬 夕映の携帯ですよね?」
「はい、そうですけど」
「失礼ですが、夕映と代って下さい」
「あっ、すみません。彼女今酔い潰れてまして、電話に出れそうにないんです」
「そこ、どこですか?今すぐ迎えに行きます。場所を教えて下さい」
夕映にかかって来た電話に出たのは、同期の赤石。
無防備な夕映を放っておけず、自宅に送り届けようとしていた。