足元のプレゼント
夜を知らせる鐘が鳴る。

小さい子どもの寝る時間を知らせるように。

良い子が早く寝てプレゼントを貰えるように。

私もそろそろ帰ろうかな。

良い子なんかじゃないけど。

大人はこれからこの場所で
沢山の願いを込めるのだろう。

将来のこととか。
隣にいる人のこととか。

人混みに巻き込まれる前に帰ってしまおう。
そう思った。

もう私には関係ない。
夢も魔法も
ただこの世を楽しむための物語でしかない。

信じれば信じるほど自分を苦しめるだけなら、今年が終わる知らせだと思うしかない。


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