足元のプレゼント


ライトの消えたツリーは少し残念に思えた。

ドキドキしながら、靴下を探す。

手が少し震えながら怪しまれないようにそっと。

だけど、そこに隠した私の靴下はなかった。


ただの思い違いだったんだ。
私が馬鹿だったんだ。
やっぱりくだらないじゃないか。

心の中にたくさんの言葉が書かれていく。
殴り書きの感情的な悲しい言葉。

ここにいたってしょうがない。
帰ろう。

そう思った時、服を後ろに引っ張られた。
振り向くとランドセルを背負った子どもたちがはしゃいでいるのが見えた。

気のせいか。
少し残念な気持ちのまま
なんとなく前を見れなくて下を向く。

地面に見覚えのあるキーホルダーが落ちていた。
拾い上げると、昔貰った大きなぬいぐるみのキーホルダー版だった。
誰かが落としたのかな?と思ったけど、明らかに新品で、でも値札はついていなくて少し焦る。

ふとキーホルダーの足の裏に名前が書いてあるのが目に入った。

ドキッとした。

だって、私の名前だったから。

同じ名前の人かもしれないとは思えなかった。


昔貰った大きな可愛らしくぬいぐるみの足の裏。
そこにも私の名前が書かれている。

正確には、私が落書きしたようなものだけど。

同じぬいぐるみを持っている人に会っても
私のだとわかるようにと書いた名前。

そこで私は気づいた。

私の元にもプレゼントが届いたのだと。

頼んだものとは少し違うけど。
私が今笑えているから間違いじゃない。

ありがとう。

そういう時もあるよね。
なんて。






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