私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「最初、あの男は誰のことも拒絶していた。なのに、あんなに素を見せるようになった。莉衣沙も丸くなって。あんたは濡れ衣で追い出されても笑っていた。そんな強さがうらやましい」
強いわけじゃない。笑うしかなかっただけだ。
だが、コスモが打ち明けた思いまで否定することになりそうで、言えなかった。
へへ、と一鈴は笑った。
「うらやましいなら、やってみたらいいらしいですよ」
「なにを?」
「わかんないです。いろいろやってみましょう!」
一鈴はコーヒーをぐいっと飲んだ。
「掃除……は禁止されたから、料理を極めてみます? やったことないことやりましょう!」
「やったことないこと」
コスモは首をひねる。
「逆にいくらでもできるってくらい好きなことは?」
「ないな」
「乗馬は?」
「ただの趣味だ。がんばってどうする」
一鈴は困る。実益があるものがいいのだろうか。
「私はなにをやってもダメだった。中途半端でなにも身につかない。それならもういいやって投げ出した。ピアノも書道も、ぜんぶ」
「でも本当に全部やりつくしてはいないですよねえ。宇宙に行ったことも行くための訓練をしたこともないですよね」
「宇宙って」
コスモはぷっと笑った。
「自分用のアクセサリー、作ってみます?」
一鈴が言うと、コスモはまた首をひねった。
コーヒーカップを片付けて、一鈴はアクセサリーを作る材料と道具を持って来た。
「まずはピアスとか」
「どうやるんだ」
「パーツを選んでください」
ハートや星、猫などのチャームを見て、コスモは顔をしかめた。
「かわいいものは私には似合わない」
「なんでですか」
「私はかわいくないから」
「ガラスビーズは? きれいでしょ?」
強いわけじゃない。笑うしかなかっただけだ。
だが、コスモが打ち明けた思いまで否定することになりそうで、言えなかった。
へへ、と一鈴は笑った。
「うらやましいなら、やってみたらいいらしいですよ」
「なにを?」
「わかんないです。いろいろやってみましょう!」
一鈴はコーヒーをぐいっと飲んだ。
「掃除……は禁止されたから、料理を極めてみます? やったことないことやりましょう!」
「やったことないこと」
コスモは首をひねる。
「逆にいくらでもできるってくらい好きなことは?」
「ないな」
「乗馬は?」
「ただの趣味だ。がんばってどうする」
一鈴は困る。実益があるものがいいのだろうか。
「私はなにをやってもダメだった。中途半端でなにも身につかない。それならもういいやって投げ出した。ピアノも書道も、ぜんぶ」
「でも本当に全部やりつくしてはいないですよねえ。宇宙に行ったことも行くための訓練をしたこともないですよね」
「宇宙って」
コスモはぷっと笑った。
「自分用のアクセサリー、作ってみます?」
一鈴が言うと、コスモはまた首をひねった。
コーヒーカップを片付けて、一鈴はアクセサリーを作る材料と道具を持って来た。
「まずはピアスとか」
「どうやるんだ」
「パーツを選んでください」
ハートや星、猫などのチャームを見て、コスモは顔をしかめた。
「かわいいものは私には似合わない」
「なんでですか」
「私はかわいくないから」
「ガラスビーズは? きれいでしょ?」