私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「離れに移動させてごまかせるほど呪いは甘くなかったのよ」
「おかしいです」
一鈴はとっさに反論する。
「なぜ、穂希さんと親しくしている私が一番に呪われないんですか?」
恭子は一瞬言葉につまるが、すぐに冷静さを取り戻した。
「理不尽だからこそ呪いなのだわ。あなたも自転車で転んだのでしょう? 次はけがですまないかもしれないのよ」
「ただの不注意です」
一鈴は恭子の警告を切り捨てた。スポークが細工されていたことなど無視だ。椅子が壊れていたのも車にひかれかけたのも、偶然だ。
「コスモさんは強盗の被害者です。呪いじゃないです」
一鈴は断言し、言葉を続ける。
「ここで起きたのは人が仕掛けられるものばかり。人間くさい呪いですね」
「そもそも呪いなんて人が行うものだ」
穂希が言った。
「呪いは人を突き落としたり殴ったりしないし、強盗もしません」
「それらを誘発したのが呪いだろう」
一鈴はあきれて穂希を見た。
「真偽はともかく、あなたは出て行くのよ」
恭子が割って入ったので、一鈴と穂希は彼女を見た。
「爽歌さんにも出て行ってもらいます」
「ダメです」
一鈴は声を上げた。
「なぜ」
恭子が不審な目で一鈴を見る。
「一鈴さん、それは俺も知りたい」
だって、二人は想いあってるんですから。
言いたいのに、口が急に重くなった。
穂希と恭子の視線が痛い。
そのとき、リビングのドアががちゃっと開いた。
「一鈴さんがいらしたと聞いたわ。お元気かしら」
現れた爽歌は洋服だった。胸元にダイヤが光る。三人を見てにこっと笑い、それから困ったように眉を下げた。
「お邪魔だったかしら」
「大丈夫、話は終わった」
「穂希さん」
恭子がとがめる。
「おかしいです」
一鈴はとっさに反論する。
「なぜ、穂希さんと親しくしている私が一番に呪われないんですか?」
恭子は一瞬言葉につまるが、すぐに冷静さを取り戻した。
「理不尽だからこそ呪いなのだわ。あなたも自転車で転んだのでしょう? 次はけがですまないかもしれないのよ」
「ただの不注意です」
一鈴は恭子の警告を切り捨てた。スポークが細工されていたことなど無視だ。椅子が壊れていたのも車にひかれかけたのも、偶然だ。
「コスモさんは強盗の被害者です。呪いじゃないです」
一鈴は断言し、言葉を続ける。
「ここで起きたのは人が仕掛けられるものばかり。人間くさい呪いですね」
「そもそも呪いなんて人が行うものだ」
穂希が言った。
「呪いは人を突き落としたり殴ったりしないし、強盗もしません」
「それらを誘発したのが呪いだろう」
一鈴はあきれて穂希を見た。
「真偽はともかく、あなたは出て行くのよ」
恭子が割って入ったので、一鈴と穂希は彼女を見た。
「爽歌さんにも出て行ってもらいます」
「ダメです」
一鈴は声を上げた。
「なぜ」
恭子が不審な目で一鈴を見る。
「一鈴さん、それは俺も知りたい」
だって、二人は想いあってるんですから。
言いたいのに、口が急に重くなった。
穂希と恭子の視線が痛い。
そのとき、リビングのドアががちゃっと開いた。
「一鈴さんがいらしたと聞いたわ。お元気かしら」
現れた爽歌は洋服だった。胸元にダイヤが光る。三人を見てにこっと笑い、それから困ったように眉を下げた。
「お邪魔だったかしら」
「大丈夫、話は終わった」
「穂希さん」
恭子がとがめる。