私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「私は一鈴様を信じています!」
「ありがとう。私、部屋に行くね」
一鈴は笑いながら礼を言って寝室に入った。
そのままベッドに倒れ込む。
どうしてこんなに疑われるんだろう。なにもしていないのに。
まるで誰かが意図的にそんな噂を流しているみたいに。
一鈴はがばっと体を起こした。
噂は、流せる。
では、誰が。
多美子は無駄口を叩く者はクビと言っていた。
だが、現実にはクビにはならずに一鈴に不利な噂ばかりが流れている。
多美子が野放しにしているのだとしたら。むしろ彼女が流していたら。
メイド服の管理も彼女だ。一鈴の行動も把握できる。
ネズミステーキのときも、顔色一つ変えずに蓋をして下げさせていた。
「そんな、まさか」
こんなこと、穂希には言えない。彼は多美子を信用している。
どうしたらいいのか、一鈴にはわからなかった。
莉衣沙から電話があったのは、その夜のことだった。
「コスモさんが襲われたわ! ニュースにもなってる!」
「そうですか、ニュースに」
「知ってたの? なんで連絡くれなかったの!」
「心配かけたくなくて」
「友達の入院を教えてもらえないなんてショックだわ」
「すみません」
「今度一緒にお見舞いに行こうね」
「もちろんです」
「あのね」
スマホ越しにためらう様子があった。
「どうしたんですか?」
「あなたのことも友達だと思ってるから」
言って、スマホは一方的に切れた。
一鈴はあっけにとられたが、もうスマホは莉衣沙につながっていない。
「——ありがとうございます」
ツーツーと音が流れるスマホに、一鈴は礼を言った。
「ありがとう。私、部屋に行くね」
一鈴は笑いながら礼を言って寝室に入った。
そのままベッドに倒れ込む。
どうしてこんなに疑われるんだろう。なにもしていないのに。
まるで誰かが意図的にそんな噂を流しているみたいに。
一鈴はがばっと体を起こした。
噂は、流せる。
では、誰が。
多美子は無駄口を叩く者はクビと言っていた。
だが、現実にはクビにはならずに一鈴に不利な噂ばかりが流れている。
多美子が野放しにしているのだとしたら。むしろ彼女が流していたら。
メイド服の管理も彼女だ。一鈴の行動も把握できる。
ネズミステーキのときも、顔色一つ変えずに蓋をして下げさせていた。
「そんな、まさか」
こんなこと、穂希には言えない。彼は多美子を信用している。
どうしたらいいのか、一鈴にはわからなかった。
莉衣沙から電話があったのは、その夜のことだった。
「コスモさんが襲われたわ! ニュースにもなってる!」
「そうですか、ニュースに」
「知ってたの? なんで連絡くれなかったの!」
「心配かけたくなくて」
「友達の入院を教えてもらえないなんてショックだわ」
「すみません」
「今度一緒にお見舞いに行こうね」
「もちろんです」
「あのね」
スマホ越しにためらう様子があった。
「どうしたんですか?」
「あなたのことも友達だと思ってるから」
言って、スマホは一方的に切れた。
一鈴はあっけにとられたが、もうスマホは莉衣沙につながっていない。
「——ありがとうございます」
ツーツーと音が流れるスマホに、一鈴は礼を言った。