私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
別邸についたら女性警備員に囲まれ、リビングに行く。
爽歌は一鈴を見るとにっこり笑ってソファから立ち上がる。
「お待ちしてましたわ」
「お招きありがとうございます」
一鈴は驚きながら挨拶した。
爽歌は一鈴と似た色柄の着物を着ていた。が、段違いで似合っていた。青みを帯びたピンクは白い肌を引き立て、黒髪を結ぶリボンもよく似合っている。帯に挟んだ懐剣の下でダイヤが光った。穂希からのプレゼントを帯飾りにしているのだ。
「服がおそろいみたい。うれしいわ」
爽歌は目を細める。
一鈴は、へへっと笑った。
まるっきり自分が引き立て役だ。
L字型に配置されたソファに座る。紅茶とともに、クリームたっぷりのケーキも配られた。くるんと大きくカールしたピンクのチョコレートが飾られ、銀色のアラザンがかわいらしい。
「穂希さんとおでかけなさったんですって? 妬けてしまいますわ」
微笑を浮かべて爽歌は言う。
「私なんか……」
「私、正々堂々としなくては、と思いましたの」
爽歌はまっすぐに一鈴を見る。
それだけで、もう充分だった。
わかってます、と言いたかった。あなたが穂希さんを好きなことはわかってます。
佳乃と小幡を思い出す。
どうしてあのとき、あんなに大胆に二人をくっつけようと思えたのだろう。
どうして、穂希と爽歌をくっつけるために動かないのだろう。
……答えはわかりきっている。
一鈴はぐっとこらえた。まさかこんな話題のお茶会になるとは思ってもみなかった。
「呪い、怖くないんですか?」
一鈴が聞くと、爽歌はにっこりと笑った。
「怖くない、と言えば嘘になります。でもそれ以上に、お守りしたいと思っています」
「そうですか」
一鈴はケーキにフォークを刺した。フォークは抵抗なくするりと入り込んだ。手前に倒して切るようにしてすくい、口に入れる。
甘さ控えめのケーキだった。クリームは濃厚なのに口どけがいい。アラザンを噛むと、ガリっと音がした。
爽歌は一鈴を見るとにっこり笑ってソファから立ち上がる。
「お待ちしてましたわ」
「お招きありがとうございます」
一鈴は驚きながら挨拶した。
爽歌は一鈴と似た色柄の着物を着ていた。が、段違いで似合っていた。青みを帯びたピンクは白い肌を引き立て、黒髪を結ぶリボンもよく似合っている。帯に挟んだ懐剣の下でダイヤが光った。穂希からのプレゼントを帯飾りにしているのだ。
「服がおそろいみたい。うれしいわ」
爽歌は目を細める。
一鈴は、へへっと笑った。
まるっきり自分が引き立て役だ。
L字型に配置されたソファに座る。紅茶とともに、クリームたっぷりのケーキも配られた。くるんと大きくカールしたピンクのチョコレートが飾られ、銀色のアラザンがかわいらしい。
「穂希さんとおでかけなさったんですって? 妬けてしまいますわ」
微笑を浮かべて爽歌は言う。
「私なんか……」
「私、正々堂々としなくては、と思いましたの」
爽歌はまっすぐに一鈴を見る。
それだけで、もう充分だった。
わかってます、と言いたかった。あなたが穂希さんを好きなことはわかってます。
佳乃と小幡を思い出す。
どうしてあのとき、あんなに大胆に二人をくっつけようと思えたのだろう。
どうして、穂希と爽歌をくっつけるために動かないのだろう。
……答えはわかりきっている。
一鈴はぐっとこらえた。まさかこんな話題のお茶会になるとは思ってもみなかった。
「呪い、怖くないんですか?」
一鈴が聞くと、爽歌はにっこりと笑った。
「怖くない、と言えば嘘になります。でもそれ以上に、お守りしたいと思っています」
「そうですか」
一鈴はケーキにフォークを刺した。フォークは抵抗なくするりと入り込んだ。手前に倒して切るようにしてすくい、口に入れる。
甘さ控えめのケーキだった。クリームは濃厚なのに口どけがいい。アラザンを噛むと、ガリっと音がした。