私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
もう、充分だろうか。
「……私、出て行きます。それで解決です」
一鈴はへらっと笑った。
「君は疑われたままなんだぞ」
「警察に逮捕されたわけじゃないですし」
へらへらと笑う一鈴を、穂希は呆然と見る。
「さすがに今日中は勘弁してください。明日にでも。駅まで送っていただけますか?」
「それくらいはする」
「ありがとうございます」
一鈴は滉一に頭を下げた。
恭子は明らかにほっとしていた。
一鈴は複雑な気持ちで彼女を見た。
息子を守る母の愛。
それはどれだけ深く、穂希を包もうとしているのか。
「だったら俺も出て行く。俺の呪いが原因なんだから」
穂希が言い、全員が彼に注目した。
「呪いなら出た先でまた同じことがおきるだろう」
滉一は言って、時任に手を伸ばした。
時任は封筒を渡す。
「私宛にこんなものが届いた」
滉一は中身を出して穂希に差し出す。
受け取った穂希は顔をこわばらせた。
覗き込んだ一鈴は目をみはった。
偽装婚約の契約書だった。
「偽装のつもりが、本当に結婚したくなって邪魔を排除し始めたか」
「そんなことしません!」
一鈴は言い返す。
「主導は俺だ! 結婚が嫌で頼んだんだ!」
「自分で断れ」
「断っただろ! なのに無理矢理令嬢を四人も呼び寄せて」
「無理矢理ではありません」
恭子が言う。
ああ、カオス。
一鈴はこみあげる笑いを必死にこらえた。笑えばさらにみんな感情的になってしまうだろう。
ドアがノックされたのは、そのときだった。
「……私、出て行きます。それで解決です」
一鈴はへらっと笑った。
「君は疑われたままなんだぞ」
「警察に逮捕されたわけじゃないですし」
へらへらと笑う一鈴を、穂希は呆然と見る。
「さすがに今日中は勘弁してください。明日にでも。駅まで送っていただけますか?」
「それくらいはする」
「ありがとうございます」
一鈴は滉一に頭を下げた。
恭子は明らかにほっとしていた。
一鈴は複雑な気持ちで彼女を見た。
息子を守る母の愛。
それはどれだけ深く、穂希を包もうとしているのか。
「だったら俺も出て行く。俺の呪いが原因なんだから」
穂希が言い、全員が彼に注目した。
「呪いなら出た先でまた同じことがおきるだろう」
滉一は言って、時任に手を伸ばした。
時任は封筒を渡す。
「私宛にこんなものが届いた」
滉一は中身を出して穂希に差し出す。
受け取った穂希は顔をこわばらせた。
覗き込んだ一鈴は目をみはった。
偽装婚約の契約書だった。
「偽装のつもりが、本当に結婚したくなって邪魔を排除し始めたか」
「そんなことしません!」
一鈴は言い返す。
「主導は俺だ! 結婚が嫌で頼んだんだ!」
「自分で断れ」
「断っただろ! なのに無理矢理令嬢を四人も呼び寄せて」
「無理矢理ではありません」
恭子が言う。
ああ、カオス。
一鈴はこみあげる笑いを必死にこらえた。笑えばさらにみんな感情的になってしまうだろう。
ドアがノックされたのは、そのときだった。