私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
真顔でなにを。
一鈴は笑いをこらえてうつむいた。肩がぷるぷると震えた。
「笑いたければ笑え」
「あはははは!」
「本当に笑うかよ」
「だって、日本屈指の御曹司が呪いって!」
「俺に近付く女は不幸になる……なったんだ」
「偶然ですよ」
「一回や二回じゃない。小さい頃からずっとだ。お菓子をあげたらお腹を下したと言われ、傘を貸したら水たまりにはまったと泣かれた」
くっ、と一鈴は笑った。
「呪いちっさ! 水たまり!?」
「小さなことから大きなことまで、幅があるんだ。滑り台から落ちて骨折した女性もいる」
「まさか亡くなった方もいたり?」
そうなると笑ってはいられない。
「今のところはない。が、俺の努力の結果だ。中学からは男子校。大学は共学だが、それはそれは気を使って」
「へえ」
「思春期、女の子と一番いちゃいちゃしたい時期になにもできず、好きな女をかっさらわれたんだぞ!」
一鈴は必死に笑いをこらえた。
「同情します」
「心がこもってない!」
「だって」
どうやって同情したらいいのかわからない。
「女性限定って不自然すぎて」
「俺を悪く言った男がケガをしたこともあったが、数えるほどだ。大人になってからはない」
「魔のカーブとか踏切とか、90パーセント以上は科学で説明がつくそうですよ」
「残りはどうなんだ!」
「呪いと思う原因は? わら人形を見たとか? ご自身も大ケガしたとか?」
「どちらもない。必ず周囲の女性だ」
「お祓いは?」
「お祓いも悪魔祓いもまったく効果がない」
「つまり呪われてないんです」
「呪いが強力だったんだ」
一鈴は笑いをこらえてうつむいた。肩がぷるぷると震えた。
「笑いたければ笑え」
「あはははは!」
「本当に笑うかよ」
「だって、日本屈指の御曹司が呪いって!」
「俺に近付く女は不幸になる……なったんだ」
「偶然ですよ」
「一回や二回じゃない。小さい頃からずっとだ。お菓子をあげたらお腹を下したと言われ、傘を貸したら水たまりにはまったと泣かれた」
くっ、と一鈴は笑った。
「呪いちっさ! 水たまり!?」
「小さなことから大きなことまで、幅があるんだ。滑り台から落ちて骨折した女性もいる」
「まさか亡くなった方もいたり?」
そうなると笑ってはいられない。
「今のところはない。が、俺の努力の結果だ。中学からは男子校。大学は共学だが、それはそれは気を使って」
「へえ」
「思春期、女の子と一番いちゃいちゃしたい時期になにもできず、好きな女をかっさらわれたんだぞ!」
一鈴は必死に笑いをこらえた。
「同情します」
「心がこもってない!」
「だって」
どうやって同情したらいいのかわからない。
「女性限定って不自然すぎて」
「俺を悪く言った男がケガをしたこともあったが、数えるほどだ。大人になってからはない」
「魔のカーブとか踏切とか、90パーセント以上は科学で説明がつくそうですよ」
「残りはどうなんだ!」
「呪いと思う原因は? わら人形を見たとか? ご自身も大ケガしたとか?」
「どちらもない。必ず周囲の女性だ」
「お祓いは?」
「お祓いも悪魔祓いもまったく効果がない」
「つまり呪われてないんです」
「呪いが強力だったんだ」