私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「ご存じでしょうけど、貧乏なんで買うより安いときは作るんです。昔はそれなりにお金があったんですけどね」
父は社長だった。取引先の倒産で連鎖倒産してしまった。
「お守りはどれも効果がなかったが、君が作ったなら別格だな」
「そんなに買ったんですか?」
「今も持ってるよ」
懐に手を入れ、取り出す。十個以上のお守りが出て来た。よくスーツのラインが崩れなかったものだ。
「たくさんあると逆にダメらしいですよ」
穂希は驚いてお守りの束を見た。
「じゃあ君のだけにするか」
穂希はゴミ箱にお守りを捨てようとした。
「待って!」
一鈴は慌てて手をつかんだ。
「神社に返しに行ったほうがいいです。お寺のものはお寺に」
穂希は驚いて一鈴を見返したあと、ふっと笑った。
「そういうのは信じるんだ?」
「神仏にまつわるものをそのまま捨てるのが居心地悪いだけです」
「手、離してもらってもいい?」
「ごめんなさい!」
慌てて離して一鈴は顔を赤くした。
穂希がまた、ふっと笑った。
お守りの束を懐に戻し、ペンダントの金具をいじる。
「これ、どうやるんだ?」
大きな手ではうまくいかないようで、しばらくしてから一鈴にそっと差し出す。
父は社長だった。取引先の倒産で連鎖倒産してしまった。
「お守りはどれも効果がなかったが、君が作ったなら別格だな」
「そんなに買ったんですか?」
「今も持ってるよ」
懐に手を入れ、取り出す。十個以上のお守りが出て来た。よくスーツのラインが崩れなかったものだ。
「たくさんあると逆にダメらしいですよ」
穂希は驚いてお守りの束を見た。
「じゃあ君のだけにするか」
穂希はゴミ箱にお守りを捨てようとした。
「待って!」
一鈴は慌てて手をつかんだ。
「神社に返しに行ったほうがいいです。お寺のものはお寺に」
穂希は驚いて一鈴を見返したあと、ふっと笑った。
「そういうのは信じるんだ?」
「神仏にまつわるものをそのまま捨てるのが居心地悪いだけです」
「手、離してもらってもいい?」
「ごめんなさい!」
慌てて離して一鈴は顔を赤くした。
穂希がまた、ふっと笑った。
お守りの束を懐に戻し、ペンダントの金具をいじる。
「これ、どうやるんだ?」
大きな手ではうまくいかないようで、しばらくしてから一鈴にそっと差し出す。