私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「つけてくれないか?」
「じゃあ座ってください」
言われた穂希はどかっと床に座った。
一鈴は彼の背の側にまわって膝をつき、その首にペンダントをまわす。
一瞬、自分から抱き着く形になってどきっとした。
息がかかるほどの距離。
彼のうなじが近くて、また心臓が跳ねる。
さわやかな香りがしていた。
弟とは違う髪、うなじ、背筋。肩幅は広くて、どきどきして視線をずらすとスーツの地模様がやけに目についた。
「できました」
「似合うか?」
彼が振り向いた。
「似合ってないです」
「普通、嘘でも似合うって言わないか?」
「デザインが女性らしすぎました」
「そうか」
穂希はトップの小さな鏡をつまんで眺める。
一鈴はため息をついた。ペンダントをプレゼントなんて、普通は逆な気がする。
前に恋をしたのは中学生のころ。恋人なんていたことがない。
穂希のことを笑ったが人のこと言えない。
「大切にするよ」
「大切にしなくていいです」
そっけなく言って、一鈴はうつむいた。
「じゃあ座ってください」
言われた穂希はどかっと床に座った。
一鈴は彼の背の側にまわって膝をつき、その首にペンダントをまわす。
一瞬、自分から抱き着く形になってどきっとした。
息がかかるほどの距離。
彼のうなじが近くて、また心臓が跳ねる。
さわやかな香りがしていた。
弟とは違う髪、うなじ、背筋。肩幅は広くて、どきどきして視線をずらすとスーツの地模様がやけに目についた。
「できました」
「似合うか?」
彼が振り向いた。
「似合ってないです」
「普通、嘘でも似合うって言わないか?」
「デザインが女性らしすぎました」
「そうか」
穂希はトップの小さな鏡をつまんで眺める。
一鈴はため息をついた。ペンダントをプレゼントなんて、普通は逆な気がする。
前に恋をしたのは中学生のころ。恋人なんていたことがない。
穂希のことを笑ったが人のこと言えない。
「大切にするよ」
「大切にしなくていいです」
そっけなく言って、一鈴はうつむいた。