私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「わ、わかってくれたらいいんです」
多美子はふっとため息をついた。
「もう少し毅然となさってください」
結局はそう言われるんだ。
一鈴はむくれて目をそらし、黙った。
翌日の食事は本邸から届けられ、やや冷めたものを頂いた。
夕食後はいつも各自が自由に過ごしている。佳乃は外出していた。
コスモと一緒にリビングに行くと、彼女は少しためらったあと、切り出した。
「昨日の犯人、すぐにわかって追い出されたって」
「誰だったんですか?」
「あんたと同時に入ったメイドだそうだ。広立結衣子」
食堂で一緒になったことがあった。明るい女性だ。
「あんたが見初められて特別待遇なのが気に入らなかったんだと」
一鈴には理解できない思考だった。
「彼女は懲戒解雇だ。今後、タカライ系列のすべての企業、店舗での採用はない」
「厳しい」
「それぐらいのことをしたんだよ」
「嫌がらせなんて、なにもならないのにね」
「私も陰でいろいろ言われてるよ。令嬢らしくないだのひょろがりだの。髪染めてるのも言われてる。あいつら、いい年して幼稚だ」
「素敵な髪なのに。背が高くてスマートでモデルみたいです」
「ありがと。あんたポジティブだな」
へへ、と一鈴は笑った。少しは喜んでもらえたようで、自分もうれしい。
「妬み、ひがみ、そねみ。女ってめんどくさいよな」
コスモは足を投げ出し、両手を上げて伸びをした。
「コスモさんも女なのに」
「だから、だよ」
コスモは皮肉な笑みを浮かべた。
さっぱりしていて嫉妬なんかしなさそうなのに、と一鈴はコスモを見つめた。
多美子はふっとため息をついた。
「もう少し毅然となさってください」
結局はそう言われるんだ。
一鈴はむくれて目をそらし、黙った。
翌日の食事は本邸から届けられ、やや冷めたものを頂いた。
夕食後はいつも各自が自由に過ごしている。佳乃は外出していた。
コスモと一緒にリビングに行くと、彼女は少しためらったあと、切り出した。
「昨日の犯人、すぐにわかって追い出されたって」
「誰だったんですか?」
「あんたと同時に入ったメイドだそうだ。広立結衣子」
食堂で一緒になったことがあった。明るい女性だ。
「あんたが見初められて特別待遇なのが気に入らなかったんだと」
一鈴には理解できない思考だった。
「彼女は懲戒解雇だ。今後、タカライ系列のすべての企業、店舗での採用はない」
「厳しい」
「それぐらいのことをしたんだよ」
「嫌がらせなんて、なにもならないのにね」
「私も陰でいろいろ言われてるよ。令嬢らしくないだのひょろがりだの。髪染めてるのも言われてる。あいつら、いい年して幼稚だ」
「素敵な髪なのに。背が高くてスマートでモデルみたいです」
「ありがと。あんたポジティブだな」
へへ、と一鈴は笑った。少しは喜んでもらえたようで、自分もうれしい。
「妬み、ひがみ、そねみ。女ってめんどくさいよな」
コスモは足を投げ出し、両手を上げて伸びをした。
「コスモさんも女なのに」
「だから、だよ」
コスモは皮肉な笑みを浮かべた。
さっぱりしていて嫉妬なんかしなさそうなのに、と一鈴はコスモを見つめた。