私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
その夜、一鈴は本邸の穂希に呼び出され、多美子に連れられて部屋に行った。
一鈴だけが部屋に入った。
煌々と明かりがついているのに、薄暗く感じた。開運グッズのせいで相変わらずジャングルのようだった。
ソファに案内され、座ると紙を渡された。
「偽装婚約の契約書にサインしてもらいたい」
「わかりました」
一鈴は文面を見てからサインをした。
「昨夜の件だが」
穂希は隣に座る。
なんで隣に、と一鈴は居心地が悪くなった。
「メイドの仕業だった」
「コスモさんから聞きました」
「君以外には多美子さんから報告してもらった。君には直接言いたかった」
穂希は立ち上がり、頭を下げた。
「俺の呪いのせいで申し訳ない」
「あなたのせいではないです!」
一鈴は慌てて立ち上がる。
「嫌がらせだ、とあなたが言ったんですよ。犯人はクビです。断じて呪いじゃないです」
一鈴はへらっと笑った。穂希が安心できるように。
「人間、妬みとかそういうのって、仕方ないですよ。行動に出すのはダメですけど」
「君は心が広いな」
「広いわけじゃないです」
行動に移す人間を理解しがたい、と思うだけだ。
「私、いろいろと鈍いみたいだから大丈夫です。こういうこともコミで五千万ですよね」
へへ、と笑うと、穂希はまぶしそうに目を細めた。
「こんな話のあとで申し訳ないが、偽装の一環で土曜日は俺につきあってほしい」
「どこか行くんですか?」
「お守りを返しに神社に行く」
「わかりました」
一鈴は了承し、契約書の控えを持って部屋を出た。
一鈴だけが部屋に入った。
煌々と明かりがついているのに、薄暗く感じた。開運グッズのせいで相変わらずジャングルのようだった。
ソファに案内され、座ると紙を渡された。
「偽装婚約の契約書にサインしてもらいたい」
「わかりました」
一鈴は文面を見てからサインをした。
「昨夜の件だが」
穂希は隣に座る。
なんで隣に、と一鈴は居心地が悪くなった。
「メイドの仕業だった」
「コスモさんから聞きました」
「君以外には多美子さんから報告してもらった。君には直接言いたかった」
穂希は立ち上がり、頭を下げた。
「俺の呪いのせいで申し訳ない」
「あなたのせいではないです!」
一鈴は慌てて立ち上がる。
「嫌がらせだ、とあなたが言ったんですよ。犯人はクビです。断じて呪いじゃないです」
一鈴はへらっと笑った。穂希が安心できるように。
「人間、妬みとかそういうのって、仕方ないですよ。行動に出すのはダメですけど」
「君は心が広いな」
「広いわけじゃないです」
行動に移す人間を理解しがたい、と思うだけだ。
「私、いろいろと鈍いみたいだから大丈夫です。こういうこともコミで五千万ですよね」
へへ、と笑うと、穂希はまぶしそうに目を細めた。
「こんな話のあとで申し訳ないが、偽装の一環で土曜日は俺につきあってほしい」
「どこか行くんですか?」
「お守りを返しに神社に行く」
「わかりました」
一鈴は了承し、契約書の控えを持って部屋を出た。