私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
着いたのは赤い鳥居が連なることで有名な神社だった。
「一度来てみたかったんです!」
「春にはつつじがきれいなんだ。また一緒に来よう」
「その頃には契約が終わってますから無理ですね」
「終わってないかもしれないだろ」
爽歌さんを誘えばいいのに。
思った直後、なんだかモヤッとした。
「おみくじも引こう」
「待ってください」
歩き出した彼を追おうとしたら、足が滑った。
「きゃあ!」
滑った一鈴を穂希が抱きとめた。
滑ったことへの驚きと、彼の腕のたくましさにどきどきした。
なぜか彼はそのまま抱きしめてくる。
「柔らかいな」
耳元でささやかれ、一鈴はばっと体を離した。
「最低!」
「ちょっとくらいいいだろ」
「良くないです!」
「かわいい悲鳴だったな」
一鈴は持てるすべての嫌悪を総動員して穂希をにらんだ。
「そんな顔するとかわいいのが台無しだぞ」
残念ハンサムに言われても、と一鈴はため息をついた。
「おみくじはお参りのあとがいいそうです。神様に、これからおみくじをひくのでよろしくって言うんです」
「じゃあそうしよう」
手水舎で手を清め、参拝する。
その後、お守りの授与所の巫女に声をかけ、たくさんのお守りをひきとってもらった。
巫女にお気持ちをお願いしますと言われた穂希が
「ありがとうございます」
と頭を下げたので、一鈴は笑ってしまった。
「お気持ちをお金で表現するんですよ」
「し、知ってるよ」
慌ててカードを出し、カードは受け付けていませんと困惑された。それから一万円を差し出し、結局巫女を困惑させていた。
「それだけ感謝してるんです」
一鈴は巫女にへらっと笑い、彼の背を押しておみくじのほうへ連れて行った。
「一度来てみたかったんです!」
「春にはつつじがきれいなんだ。また一緒に来よう」
「その頃には契約が終わってますから無理ですね」
「終わってないかもしれないだろ」
爽歌さんを誘えばいいのに。
思った直後、なんだかモヤッとした。
「おみくじも引こう」
「待ってください」
歩き出した彼を追おうとしたら、足が滑った。
「きゃあ!」
滑った一鈴を穂希が抱きとめた。
滑ったことへの驚きと、彼の腕のたくましさにどきどきした。
なぜか彼はそのまま抱きしめてくる。
「柔らかいな」
耳元でささやかれ、一鈴はばっと体を離した。
「最低!」
「ちょっとくらいいいだろ」
「良くないです!」
「かわいい悲鳴だったな」
一鈴は持てるすべての嫌悪を総動員して穂希をにらんだ。
「そんな顔するとかわいいのが台無しだぞ」
残念ハンサムに言われても、と一鈴はため息をついた。
「おみくじはお参りのあとがいいそうです。神様に、これからおみくじをひくのでよろしくって言うんです」
「じゃあそうしよう」
手水舎で手を清め、参拝する。
その後、お守りの授与所の巫女に声をかけ、たくさんのお守りをひきとってもらった。
巫女にお気持ちをお願いしますと言われた穂希が
「ありがとうございます」
と頭を下げたので、一鈴は笑ってしまった。
「お気持ちをお金で表現するんですよ」
「し、知ってるよ」
慌ててカードを出し、カードは受け付けていませんと困惑された。それから一万円を差し出し、結局巫女を困惑させていた。
「それだけ感謝してるんです」
一鈴は巫女にへらっと笑い、彼の背を押しておみくじのほうへ連れて行った。