私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「本当に好きな人にだけですよ。でないと誤解されますからね」
「嫉妬か?」
「なんで」
「婚約者じゃないか」
「報酬がなかったらやってません」
「君の一生を買うにはいくら必要かな」
「売りません。プライスレスです」
「ゼロ円で無料配布?」
「んなわけないでしょ!」
はは、と穂希が笑う。それだけで空気が輝いて見えた。
まったく、と一鈴はうつむく。そんな無邪気に笑って、惚れたらどうしてくれるんだ。
鳥居を抜けた先は舞台になっていた。その奥の祠にもお参りし、舞台から池を眺める。鯉が優雅に泳いでいた。
「プレゼントがある」
穂希はスーツの懐から細長い包みを取り出した。
このスーツどうなってるんだ、と一鈴は胸元を凝視する。この箱が入っていたならスーツのラインが崩れていないとおかしいのに、まったく変わっていなかった。
「開けてみて」
包みを開けると白い箱があり、中から青いベロアのケースが出て来た。
一鈴はどきどきした。
蓋を開けると一粒ダイヤのペンダントがあって、光を受けてきらっと光った。
「ダイヤは魔除けになるというから」
「呪いから離れられないんですね」
ちっともロマンチックな理由じゃなかった。いや、そういう理由でも困るけど。
「つけてあげるよ」
「いいです」
「遠慮するな」
一鈴の手からケースを取り上げ、ペンダントを手にする。
「池のそばで呪われた御曹司が高いダイヤを持つって」
このまま池に落とすパターンなのでは。
「フラグをたてるな!」
穂希に止められ、一鈴は笑った。
「でも、こんな高そうなの、もらえません」
「プレゼントの一つもないと不自然だろう。報酬の一部だと思ってくれ」
「……わかりました」
最終的に返せばいいか、と保留した。
先日、穂希にペンダントをつけてあげたとき、不覚にもときめいた。一鈴は軽く復讐してやろうと思った。
「嫉妬か?」
「なんで」
「婚約者じゃないか」
「報酬がなかったらやってません」
「君の一生を買うにはいくら必要かな」
「売りません。プライスレスです」
「ゼロ円で無料配布?」
「んなわけないでしょ!」
はは、と穂希が笑う。それだけで空気が輝いて見えた。
まったく、と一鈴はうつむく。そんな無邪気に笑って、惚れたらどうしてくれるんだ。
鳥居を抜けた先は舞台になっていた。その奥の祠にもお参りし、舞台から池を眺める。鯉が優雅に泳いでいた。
「プレゼントがある」
穂希はスーツの懐から細長い包みを取り出した。
このスーツどうなってるんだ、と一鈴は胸元を凝視する。この箱が入っていたならスーツのラインが崩れていないとおかしいのに、まったく変わっていなかった。
「開けてみて」
包みを開けると白い箱があり、中から青いベロアのケースが出て来た。
一鈴はどきどきした。
蓋を開けると一粒ダイヤのペンダントがあって、光を受けてきらっと光った。
「ダイヤは魔除けになるというから」
「呪いから離れられないんですね」
ちっともロマンチックな理由じゃなかった。いや、そういう理由でも困るけど。
「つけてあげるよ」
「いいです」
「遠慮するな」
一鈴の手からケースを取り上げ、ペンダントを手にする。
「池のそばで呪われた御曹司が高いダイヤを持つって」
このまま池に落とすパターンなのでは。
「フラグをたてるな!」
穂希に止められ、一鈴は笑った。
「でも、こんな高そうなの、もらえません」
「プレゼントの一つもないと不自然だろう。報酬の一部だと思ってくれ」
「……わかりました」
最終的に返せばいいか、と保留した。
先日、穂希にペンダントをつけてあげたとき、不覚にもときめいた。一鈴は軽く復讐してやろうと思った。