私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
部屋に帰った一鈴は、疲れてソファに座り込んだ。
まさか犯人扱いされる日がくるとは思わなかった。
それでも、コスモと穂希が味方でいてくれて心強かった。
誰も味方がいなかったらきっと耐えられない。
莉衣沙には味方はいるのだろうか。
信じてもらえなかったらとてもつらいだろう。穂希は呪いだと言い出すし、有効な証言、証拠がない現在、事故として処理されるかもしれない。
別のことを考えよう、と思うのに、頭に浮かぶのは莉衣沙のことだ。
仕事をさせてもらえない、なんて泣くとは思わなかった。
あれだけかわいくて令嬢なら勝ち組だと思うのに。
自分を自分として認めてもらえない苦しさがあるのだろうか。
ぴこん、とスマホが鳴った。
コスモからさっき撮った写真が送られて来た。画像の自分たちはとても楽しそうだった。
ふと思いつくことがあり、スマホをじっと見つめる。
莉衣沙はあまりスマホをさわっていなかったように思う。それなら。
「そんなうまくいくわけないか」
そう思ってスマホを置きかけて、やっぱりまた見る。
「言うならタダだし」
一鈴はつぶやいた。