私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
佳乃がソファに両手をついてうなだれているのを見て、ぎっと一鈴をにらむ。
「なにをした!」
だん、と靴のままテーブルに片足を載せる。
にらまれながら、あれ、と一鈴は思う。
普通の使用人って、こんなに殺しそうなほど怒るだろうか。
彼の腕にあるのは、銀色の時計。
「小幡さん、ですよね」
一鈴はどきどきしながら聞く。
「佳乃さんからバレンタインに腕時計もらいました?」
「なぜそれを」
「毎日つけてるんですよね」
「だからなんだ!」
小幡の顔が若干赤くなっている。
「なにを言うの!」
佳乃が慌てる。
にやあ、と一鈴は笑う。
「貴様! なにを笑っている!」
テーブル越しに、小幡は一鈴の襟首をつかんだ。
「どうされました?」
玉江が入って来た。
「あ、今、修羅場です。部屋で待っててください」
「はあ!?」
一鈴の言葉に、玉江は驚愕して三人を見比べる。
「プライバシーなんで、お願いします」
へらっと笑っている一鈴に、玉江はためらいながら部屋に戻った。
「貴様、余裕だな」
「小幡、おやめになって」
「しかし」
「いいのです」
小幡はしぶしぶ手を離した。
「私がバカでした。さきほどの話、口外した場合には慰謝料を請求いたします」
にやにやする一鈴に侮蔑の視線を向け、佳乃は立ち上がる。
小幡がその隣に寄り添う。
「佳乃さん」
「まだなにか?」
「なにをした!」
だん、と靴のままテーブルに片足を載せる。
にらまれながら、あれ、と一鈴は思う。
普通の使用人って、こんなに殺しそうなほど怒るだろうか。
彼の腕にあるのは、銀色の時計。
「小幡さん、ですよね」
一鈴はどきどきしながら聞く。
「佳乃さんからバレンタインに腕時計もらいました?」
「なぜそれを」
「毎日つけてるんですよね」
「だからなんだ!」
小幡の顔が若干赤くなっている。
「なにを言うの!」
佳乃が慌てる。
にやあ、と一鈴は笑う。
「貴様! なにを笑っている!」
テーブル越しに、小幡は一鈴の襟首をつかんだ。
「どうされました?」
玉江が入って来た。
「あ、今、修羅場です。部屋で待っててください」
「はあ!?」
一鈴の言葉に、玉江は驚愕して三人を見比べる。
「プライバシーなんで、お願いします」
へらっと笑っている一鈴に、玉江はためらいながら部屋に戻った。
「貴様、余裕だな」
「小幡、おやめになって」
「しかし」
「いいのです」
小幡はしぶしぶ手を離した。
「私がバカでした。さきほどの話、口外した場合には慰謝料を請求いたします」
にやにやする一鈴に侮蔑の視線を向け、佳乃は立ち上がる。
小幡がその隣に寄り添う。
「佳乃さん」
「まだなにか?」