私はお守りじゃありません! ~現代の大奥で婚約バトル!? 呪われた御曹司が「君は俺のお守りだ」と甘えてきます~
「私に、投資をしてください」
「いくらでもするわ」
小幡はぎゅっと佳乃を抱きしめた。佳乃はその胸にもたれ背にそっと腕をまわす。
よかった、と胸をなでおろした一鈴は、急にいたたまれなくなった。
自分、すごい邪魔。
「一鈴さん」
「はいぃ!」
佳乃に声をかけられ、一鈴はびくっとした。
「お礼を言うわ。ありがとう」
へへ、と笑うと佳乃は苦笑した。
「さっきまであなたの笑顔が憎らしかったのに、不思議ね、いまはすごく親しく思えますわ」
「それはよかったです」
憎らしいとかいう部分が余計だけど。
「夜は闇があって当然、勝てるわけないと思ってましたわ。でも、誰かが明かりをくれることもありますのね」
一鈴は首をひねった。
佳乃は説明もせず、ふふっと笑った。
ふと、佳乃は時計を見て慌てた。
「ごめんなさい、このあと用事がありますの。小幡」
「はい」
佳乃は会釈をして、小幡は深々と頭を下げてから一鈴の家をあとにした。
晴れ晴れと車を見送ってから、一鈴は眉根を寄せる。
佳乃は小幡のことが好きだった。結婚したくなくてあえてここに残っていた。ということは、婚約者候補を蹴落とす必要がない。
では、誰が莉衣沙と爽歌を?
一鈴は誰もいなくなった道路を眺める。カラスがぎゃあぎゃあと騒いで飛んで行った。
「いくらでもするわ」
小幡はぎゅっと佳乃を抱きしめた。佳乃はその胸にもたれ背にそっと腕をまわす。
よかった、と胸をなでおろした一鈴は、急にいたたまれなくなった。
自分、すごい邪魔。
「一鈴さん」
「はいぃ!」
佳乃に声をかけられ、一鈴はびくっとした。
「お礼を言うわ。ありがとう」
へへ、と笑うと佳乃は苦笑した。
「さっきまであなたの笑顔が憎らしかったのに、不思議ね、いまはすごく親しく思えますわ」
「それはよかったです」
憎らしいとかいう部分が余計だけど。
「夜は闇があって当然、勝てるわけないと思ってましたわ。でも、誰かが明かりをくれることもありますのね」
一鈴は首をひねった。
佳乃は説明もせず、ふふっと笑った。
ふと、佳乃は時計を見て慌てた。
「ごめんなさい、このあと用事がありますの。小幡」
「はい」
佳乃は会釈をして、小幡は深々と頭を下げてから一鈴の家をあとにした。
晴れ晴れと車を見送ってから、一鈴は眉根を寄せる。
佳乃は小幡のことが好きだった。結婚したくなくてあえてここに残っていた。ということは、婚約者候補を蹴落とす必要がない。
では、誰が莉衣沙と爽歌を?
一鈴は誰もいなくなった道路を眺める。カラスがぎゃあぎゃあと騒いで飛んで行った。