家出少女の反抗

その後私自身の名前を教えて、部屋の説明を受けた。



「仕事部屋には入らないで。クラブの個人情報があるから。バレたら俺の首が飛んじゃう」と軽く厳重注意された部屋も。



本当に、重役のホストなんだなって身に沁みて分かった。



こんだけ人格も良ければ、社長さんになってもおかしくないぐらいに、いい人だからな……。



とりあえず、互いに近くのお店の情報や、この家のルールまで話し合った頃。



「霞は愛と同じ部屋を使って、やり繰りして。お互いのことまず知らなきゃいけないからさ」と肩を叩かれ、早速愛が寝ている寝室に入る事に。



「まぁ、緊張するだろうけれど……これがルールだから。行ってらっしゃい」


震える手をどうにか、抑えてドアノブに手をかけた。

その時優が、不気味な笑みを浮かべている事も知らずに。




「だれ?」


ドアを開けると、薄いピンク色で甘いフリルがついたロングワンピースを着込んだ愛がいた。



髪をとかしている最中だったのか髪飾りは外されサロン帰りのような長い髪が、薔薇の香りを放ってる。


金髪だったら、フランスのバレリーナのように見えるかもしれない。
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