家出少女の反抗

ぐうの音も出ない正論をかまされてしまい、息が詰まった。


そんな事を言われてしまったら、行くしかない………。



そうだよ……そうだよ、霞。



こんなところでうじうじする、性格の持ち主ではない。


いつものクールでカッコいい性格のあたしでなきゃ。



そんなこんなでマンションを出て、昼過ぎに学校につく。



重い足取りを何とか引きずるように、歩くのだがやはり気持ちは晴れない。


嘘をついて仮病をつき、自宅に閉じこもっているかのような罪悪感が私を襲う。



まぁ、それに似たような事ーーそれ以上な事件を起こしてしまっているのは事実だから、この気持ちは否定できないのだけど。



もう真冬の太陽が地球のてっぺんに差し掛かり、グラウンドの更地をキラキラと反射して目をつんざく程の光を放っていた矢先。




「霞……?やっぱり、霞だよな?」



聞き覚えがある人懐っこいような、お兄さんの様な爽やかな声が私の耳に届く。



「怜音先生……?なんで校門にいるんですか……?授業は?」




片手に竹刀を肩にかけ、「よぉ!!」と爽やかに笑う姿は何処か昭和に置き去りにされた体育教師の匂いを感じる。



だがその匂いは持ち前の容姿に恵まれているせいで掻き消されているのが、何とも歯痒い。


「心配してたんだぞ!!家に連絡しても、母親も出なかったしーーお前からも連絡は無かったから一時はどうなるかと心配したんだからな!!!!それに、お前が学校来なかったのも、俺……どうしたことかと……」



以外にもこの先生は、私みたいな冴えない不遇な生徒に配慮してくれる節がある。



それが一体どうして、そこまでのおせっかいを焼けるのか、謎でーー特に私への執着がすごい。



ーー共通点のようなものが、私と怜音先生にあるっていうことなのか?


その疑問はすぐに掻き消えた。


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