家出少女の反抗
危険な男とヒーロー
あれから一ヶ月が経った。
怜音先生とは軽く話をするだけだけど、気にかけてくれて電話をする仲に。
もちろん、優と愛に見つからないように。
優は相変わらず家を空けていることが多いけれど、ご飯は出して寝るところも無料で提供してくれる。
親切すぎるぐらい。
「やっと……数学終わったー!!!」
四時間目のチャイムが終わり昼休み到達の頃。
正直上辺だけの友達、未来がこちらを振り向く。
「ねぇ、聞いた!?」
「何が?」
「この街で有名な、クラブハウスが潰れたって話!!」
未来があまりに興奮して言うもんだから「クラブハウス?」と聞き返した。
「クラブハウス「クローズ」だよ!!」
思わず食べかけたパンを止める。
ーーークローズって……あのホストクラブの?
「どうして潰れたの……?」
「え?知らないの霞ー?彼処元々ヤクザの支配下で営業してた、「違法クラブ」で未成年を無理矢理働かせたり、未成年相手に性的なサービスをしてたところなのにー」
息ができなかった。
そんな様子を見ず知らずとも言わずに、未来は続ける。
「そこのね、リーダーの名前、なんていうか知ってる?」
「教えてっ!!早く!!」