家出少女の反抗

「それは大丈夫だ。お前らみたいな、脳筋バカの事だから、予測はしていた」



落ち込んでいた私達二人に、先生は持ち前のバッグを手にしてあるものを取り出した。



それを持ち出した瞬間、目を剥いた私達。




「ちょっと………それ、私達の貯金箱じゃん!!」



驚いた私は、そう口にしていた。



周りの目線が気になる。



裏方に案内されたとはいえ、バイトの人達もいる。



しかもお金の話題だから、良くない人も聞き耳を立てていることだろう。




「ちょっと!!霞、静かにしてよ!!」




愛に怒られてしまった。




それも、そうだ。



私達別々に貯金していた貯金箱2つを、意地悪な大人たちに取られてしまっては元も子もないからだ。




「落ち着けよ。お前らの金は俺が、教師として大切に保管する。暫く俺がネカフェの代金をだすから、安心してここを住処にしろ。その代わり変な事をとかするなよ?勝手にどっかに行くとかもなしだからな」




「僕も、出来る限り君達を支援できるように、手伝うよ」




微笑むように笑う、早風さんは悪い人じゃないけど……一体何者なんだろう……?




結局暫く滞在する為のルールや、先生があのあと警察と連携して荷物を取り戻した経由を聞いて一日が終わった。




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