家出少女の反抗
怜音先生は呆れ半分で、笑ったあとタバコを受け取った。
「ねぇ、先生……どうして貯金箱の居場所わかったの?しかも、警察と連携して、なんで私達の荷物を取り戻せたの?」
「それはーー早風が元々ここの地域の警察官のお偉いさんだったから……といえばわかるか?」
ライターでタバコの火をつけ、一服する怜音先生。
「……ほんと?」
「お前に嘘言って、どうするんだよ?」
「だって、こんな私達なんて人種以外にいるし助けてくれた接点もないのに……どうしてそこまでして助けてくれたの?先生もだよ?それにどうやって、私達の事わかったわけ?」
「お前らの事を早風に話をしたのは俺だから、居場所が分かったのは俺のせいだな。だけど、どうして早風が助けたいと思ったのは謎だな………」
怜音先生は空を見上げて、顔をしかめた。
答えてくれない?
この期に及んで?
諦めて帰ろうと思ったときーー。
「まぁ、あいつとの出会いは高校生時代からの仲だったから互いには干渉しなかったが……大人にいびられているのは何となく互いに分かってた。だからこそシンパシーを感じて早風と仲良くなったんだと思う。特に早風はその類いの感性が鋭い……」
そう、口を開いた怜音先生。
「一体どうゆうつもりなの?話を逸らさないでよ……」
「逸らしてねぇーよ。まぁ、俺が言いたいことは、お前達の事を話したら早風は自分自身の事を重ねて助けたいって思ったんじゃねーかって考えられるってことだ」