家出少女の反抗

「怜音先生も同じ?」



「まぁ、そうかもな……。大人に理不尽をされた辛さってのは、成長してからも多大なダメージを負う事があるから……助けたいって思ったのかもな」



「変なの……大人って全員意地悪なのかなって考えてたけど………物好きな大人っているんだね」




「色々俺もあったからお前みたいな、消えそうな奴ほっとけないし、そんな子供を守るのが大人の役目って俺は思うから………世話を焼いているだけだ」




「早風さんも?」




「多分な」




それ以降、1時間以上私達は黙り込んだ。




満月に見える月をボーっと眺めていたからか、時間があっという間。




何を考えるわけでもなく、言及する事もなかった。




だけど肌身に感じることは、互いに孤独な人生を歩んできたのだろっていう哀愁。




どうしてこんな、悲しくてーーやるせない気持ちなのに、ずっと暫くいたのかはわからない。




だけど、なんとなーく布団に入ったとき分かったんだ………。




人間やっぱり一人は寂しいし、大きな問題に直面したとき人一人ではなんにもできないからって思い知ったから。




ただ今回の事件を振り返って、そう考えた。

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