家出少女の反抗
怜音先生の過去
「やっと人間らしく戻ってきたね……霞!!」
あの夜からまた、一週間経った頃、
コンビニで買ったパンを貪っていたら、愛に笑顔でそう言われた。
「人間に戻ってきたって……そんな冷徹人間に見えてたの?」
制服のブレザーに手を通して、シワを伸ばす。
スカートは3回折っていたほうがいいかも。
学校内でのカーストの居場所の人権がなくなってしまうから。
眠たい目を擦るように、学校の準備をする日々は憂鬱だ。
学校に行っている意味が時々、分からなくなるから。
まぁ、怜音先生に家賃を出してくれる条件として「学校に来る」という約束をしてしまったから行くしかないのだけど。
「人間になったよ!!最初は夢も希望もない、敗北人間ですって顔しててどんな声をかければいいか、分からなかったんだから!!」
のんびりとした口調で、髪を整えていた愛はいつも楽しそうだ。
体中の傷をみるからに、家庭環境も悪く全然生きていていい人生じゃない感じがするのに……芯が強い子なのだなと感心する。
「まぁ、実際に敗北人間なんだけどね」
ヘアアイロンに髪をくぐらせる。
今は5時半。
カフェにいる人たちも、寝静まっている頃。
ーー怜音先生もこの時間に、準備していたりする?