家出少女の反抗
「でも、恋愛なんてそんなもんだよね………うまくいく時期、そうじゃない時期ってのはあるし………。私だって優が運命の人だって思ってたのに……この有り様だから。そういう時期もあるよ」
「愛………」
「でもね、霞………先生はきっと何かしら理由があって離れてるんだよ」
「訳……?」
「愛のいう通りかもね。あいつを長年見てきたけど……大切にしたい相手ほどとうざけてしまういわゆる好き避けってのはアイツの癖だからさ………」
そんな可愛らしい一面を、本当に怜音先生が持っているのだろうか?
「でもね、霞……本当に怜音先生は霞のことちゃんと好きだと思う。これだけは信じてあげてよ」
「どうして……そんな事が確信できるの?」
「男の人の好きになった顔ってのは、ちゃーんと何千回って見てきたから………。嫌味ってわけじゃなく、私実際にモテるし何人もそういう顔をした男子達ってのを見てきてるからわかるんだよ」
愛はコーヒーを注いで、私に渡す。
甘い砂糖とミルクが入った、マイルドなコーヒーを。
「アイツは確かに、馬鹿じゃないし全力で助けたいって思った相手だったら一直線タイプで一途だから……そこは信じてやって。霞ちゃんのこと、絶対に心の奥底では見捨てて居ないはずだから」