家出少女の反抗

その言葉を聞いた瞬間、私の心のわだかまりがスッと引いていった気がした。



もらったコーヒーを一口。




甘さと苦さが絶妙にマッチして、染み渡る。



コーヒーってこんなにも美味しかったんだ……。



「さてっ……こんな湿っぽい話は終わろうか。なにか器具で遊んで、気晴らしをしよう」



「私、ブランコに乗りたい!!もちろん早っちも一緒に!!」



無理矢理早風さんを引っ張る愛。



この関係って………大丈夫なのかな?





でも本人が考えた結果なら………私は何も言えないし口を出さない。




もしかしたら、愛もこれ以上私の心に直接語りかけないのもーーー気遣ってくれたからだろうか?




きっと、そういうことだと信じたい。





「霞も早くおいでよー!!」





どうして私を、そんなに仲間として打ち解けることができるのか私には一生わからないだろう。




でも愛の事だから、きっと素敵な理由があるって心の奥底から思うことがある。





それは人柄から来るのか、容姿から来るのかはわからない。




シンパシーに近いのかもしれない。




「霞ちゃん?一緒に来てくれない?愛が五月蝿いよ」





にこやかに笑う早風さんもおんなじだ。





この人も相当な過去や、背負っている物を空気に触れる度に感じる。





それは無意識なのか、それとも私を必要としているからなのかも不明瞭でわからない。


ただ、この空間がずっと長く続けばいいって願ってしまった。



それはずっとという事は、なくなるのだけど。




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