家出少女の反抗
「残念だね。潤。こっちにはね元々偉かった早風さんっていう元警察市長がいるんだよ?叶うわけない。ホントだからね?」
潤はぐっと、押し黙る。
「もう、二度と電話してこないで。あと、お母さんに伝言。「潤と別れなかったら、私は本当に帰らないから」そう伝えてて」
私は急いで電話を切った。
全ての力が抜けて、ため息が出た。
お母さんの着信履歴を見る。
やっぱりない………。
もうどうでも良くなってしまったのかと、考えると何処か心苦しい。
信頼していた人間に裏切られるってのは、どれほど辛いのか身に沁みて分かった。
いたたまれなくなって、部屋を出る。
ちょっとだけ、外の空気に触れたい。
その出向いた先で事件を起きる。
「ちょっと、この人知らないかしら?」
エントランスホール先に、マダムのような格好をした女性が従業員と揉めていた。
対応しているのは、早風さん。
その顔を見ると、何処か引きずっててやりづらそうな顔をしてる。
クレーマーか何かかな?
「お客様………このお客様は当店には来ておりません。お引き取りをお願いします」
「嘘よ!!絶対にいたはずよ!!目撃情報が出てるんだから、早く連絡しなさい!!貴方怜音の友達でもあるんでしょ!!噂で聞いてたわよ!!」
ーーー怜音?
怜音って、あの怜音先生のこと?