家出少女の反抗


「私のことを、信じてくれないとは思う……でもあの先生は親身になって、本当だって目を覚まさせてくれたのよ……」





「……先生?」





眠っている怜音先生を眺めるお母さん。





「潤の告白の直後だったかしらね…。怜音先生が家にやってきたの。そして霞が凄く悩んでいて、煙草をずっと吸っているって話を聞いてーーーやっと、ゆっくり知っていったわ。そこで、何回か怜音先生とあってサポートしてもらったの。心身共にね……この人がいなかったら、この場にいないわ」





お母さんの腕を見る。




そこには微かな、かすり傷が。





ーー私がいなくなったから、お母さんもしのうとしてたってこと?



事の重大さに気づいて、息を呑む。




「死のうとしていた私に、怜音先生は喝を入れてきたわ。辛抱強いのね。私が「霞に変な探りを入れて、自殺してしまう事になったら首吊って死んであなたのせいにするわ」と脅してしまったのも悪かったわ。あの人はちゃんと守ってくれたけど……余計だったわ……。霞を変なことに巻き込んだし、こんな結末になるなんて……」






涙ながらに話すお母さんを見ると、苦しんできたんだなって思った。





どうして私は、お母さんの立場になって考えることができなかったんだろう……。





「お母さん………」






去ろうとするお母さんを、呼び止めた。





「ごめんなさい……。全然知らなかった」





「いいのよ……霞。私も悪いしこの学校じゃなく別の場所に出向いて、新しく生活やり直してくれる?私と一緒に」





その答えはーー言うまでもなかった。



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