家出少女の反抗
それぞれの道
「良かったね。霞」
愛が嬉しそうに、モグモグと病院内で買ったランチパックを食べている。
「本当にハッピーエンドって感じだね。和解できて良かったね。霞ちゃんーーって、それ僕のランチパックじゃないか!!」
ランチパックを奪い取ろうとする、早風さんだったが、上手く避けられてしまう。
待合室だからって、はしゃいでいいわけじゃないんだけど……。
しかも、深夜だし………。
「そんなけちくさい事言わないでよー。もう私達一緒に住む仲間同然なんだから!!」
「一緒に住む?」
聞き慣れない単語が出てきた。
恋人になったって、事?
驚く私に、愛は笑った。
「私、早風さんがちゃんと国の許可を得て経営してる施設に宿泊するの。NPO法人っていうんだってさ。沢山の同じ様な環境の子と寝泊まりする事が出来るみたい。やり手だよね」
「いいから返してよ!!うわっ!?」
思いっきり、ずっこける早風さん。
それをからかう愛。
でも……そうか。
もう私達、子供じゃないし前に進む成長はしてるんだね。
「じゃあ、こうして会うのも今日が最後?」
「そうなるかもね。私達遠い場所に住むことになるみたいだから」
ちょっとだけ心苦しかったけど、さよならはしなきゃね。
「じゃあね。愛!!」
「また、何処かでね!!霞!!」
そうして、私達三人はバラバラになった。
深夜2時近くなった頃。
お母さんに病院で寝泊まりすることを前提として、連絡し怜音先生の病室へ。