ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
「果林は……海が好きなのか?」

 勇人に質問された。海は好きか嫌いかで言えば好きな方だ。

「また、行くか?」
「いや、やめておく。ゾンビのイルカいたし……今はここにいるよ」
「そうか。わかった……」
「ごめんね」
(多分、気を使ったのかな)

 私達はそのまま、サブチャンネルに流れる生物らの映像をぼーーっと眺めていたのだった。
 
(何時だっけ)

 机に置いた目覚まし時計に目をやると時刻は午後18時19分くらいを示していた。まだそこまでお腹は減っていない。先に入浴を済ませてから夕食にしようか。

「先お風呂入って来るね」
「わかった」

 私はリュックから着替えを取り出し、シャワーを浴びに浴室へと向かった。今着ている服は洗面台で洗って乾かそう……。

「あれ」

 洗面台の横には白い棚がある。扉を開けると中には小型の洗濯機が入っていた。ちょっと古めのものだが全然使えそうだ。
 
(洗濯機もあるんだ)

 手洗いで洗う手間が省けたのは良い事だ。私はふうっと息を吐きながら服を脱いでシャワーを浴びた。シャワーを浴び終えると着替えて先ほどまで着ていた服と下着を洗濯機の中に入れる。そしてボタンを押すと洗濯機は普通に稼働し始めた。

(良かった……それに乾燥ボタンもある)
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