ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
 それから数日が経過した。
 点滴は抜かれ自由度は増したが、この部屋から出る時に目隠しをされて車椅子に乗るというのは変わらないままだ。
 入浴とトイレは部屋には中にユニットバスタイプのシャワールームがあるのでそこで済ます。着替えは白い防護服を着た人達が2日に一度部屋に持ってきてくれる。

「おはようございます。朝食をお持ちしました」

 食事自体はまずいどころかとても美味しく、栄養面も計算されているなと感じるくらいだ。
 食事の前には必ず体温と血圧を測定するのも決まりだ。食事が終われば勇人の元へと向かい、白い防護服の人達の前で血を与えるのも変わらない。
 私が勇人と抱き合ったりしながら血を与える様子を彼らは時には写真を撮りつつ黙って見つめている。なので正直恥ずかしい。2人っきりにしてもらえないかと頼んだが、何かあってはいけないと言われて断られた。

(そういうプレイは嫌なんだけど)

 ある日。ベッドの上で私は腹筋運動をしていた。このままぐうたらと何もしてないでいると太りそうだと感じたからである。

(何か運動しないと……!)

 すると、点けっぱなしのテレビ画面が突如消えた。

(壊れた?)

 ナースコールのボタンを押そうとするが、すぐにテレビの画面は元通りになる。
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