ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
　右側の手前から2つ目のドアを女性が引いて私を中へと案内する。失礼します。と小声で挨拶してから中に入ると、そこには私と同じ服を着た人間が20人程長机に座って待っていた。
　その中には廉に春海にらんの姿も見受けられる。しかも女性が案内したのはらんの右横の席だった。

「あーー……」

　私に気が付いたらんは気まずそうに視線を左下に向ける。

「全員揃いましたか？」

　女性が声を掛ける。その後また1人少女がこの部屋に来て全員揃ったようだ。

「では、話を進めていきます。この事は皆さん内密にお願いします」
　
　前にベテランくらいの女性が私達に口止めを依頼した。

「まずあなた達をここに呼んだのは……ここから脱出して欲しいからです。あなた方は生きてここから外の世界に出る権利がある」

　そう彼女が言い切った時、一斉にガヤガヤと周りが騒ぎ出そうとしたので、彼女は静かにしてください。とピシャリと言い放つ。

「話を続けます。皆さんは一言も発さないように。脱出するのは明日となります。時刻が来ましたら放送し、私達が誘導します。急ですがよろしくお願いします。話は以上です。では帰って下さい」

　たった数分で解散となった。私はその場から立ち上がろうとすると、らんが私の服の裾を引っ張る。


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