ゾンビ化した総長に溺愛されて始まる秘密の同居生活
「あーー、その。ごめん」
「もしかして、通報したのって……」
「そうだよ。ってか向こうは既にある程度把握してたっつうか。芋ずる式だったっていうか……言い訳にはならないのは分かってる。ほんとごめん」

 らんはそう言って申し訳なさそうに頭を下げた。そこへ廉と春海も来て同じように頭を下げる。

「田中さん、ほんとごめん」
「すみませんでした……!」
「2人とも……まあ、いつかはバレるし仕方ないよね……そこまで責めなくていいから」
(今ここで3人を責めても何にもならないだろうし。それにバレるのは時間の問題だろうしなあ……)

 私が声をかけると廉と春海はそろって踵を返す。らんもじゃあ。と言ってゆっくりとその場から後にする。
 いつの間にか会議室には私だけになっていた。女性が早く部屋に戻るように促してきたので、私も部屋へと戻る事にした。

(多賀野くんは……どうなってるんだろう。一緒に脱出できるんだろうか)

 ここから脱出するなら彼と一緒がいいに決まってる。彼を置いてここからいなくなるなんてできない。
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